NPO魚沼ゆうき 山岸さんに聞きました(2)
NPO魚沼ゆうきの代表 山岸勝さんにお話を伺った記録、第2回。
- 無農薬でのコメづくりを続けて、20年余り
- 無農薬栽培を始めたきっかけ
- 自然農法のコメのちから
- 自然農法のコメにかける夢
わたしが撮った写真は、前回の投稿の1枚きり。
今後の写真は、NPO魚沼ゆうきからご提供いただきました。
上の写真は、夏の田んぼ。
手前がNPO魚沼ゆうき、奥が慣行農法の田んぼ、葉の色が全く違います。
さて、本題へ。
無農薬栽培を始めたきっかけ
25年前、無農薬でのコメづくりを始めようと思ったきっかけが、気になりました。
ひとりから始めたわけです。
そして、今も続けているのです。
どんな契機が?と思いました。
「自分や家族にアレルギーがあってとか、健康のためにとか、そういう物語はねやんそね(無いんだよね)」、山岸さんは言いました。
農薬への不信感
農薬で雑草や虫を排除して、化学肥料で太らせる、
それが当たり前だし、まだ農薬が無かったころには大変だった「田の草取り」など、農家の肉体的な負担は減りました。
しかし、有人ヘリコプターでの農薬散布に携わったことで病気になった方がいました。
山岸さんは農薬の恐ろしさを目の当たりにし、農薬を使うコメづくりに疑問を感じました。
人間の健康を害するもの(農薬)を、健康になるために食べるコメに使っていいわけがない、と。
それが、無農薬のコメづくりに挑戦する動機だったそうです。
50年前は農薬は無かった
山岸さんが無農薬のコメづくりに取り組み始めた25年前、
そのまた50年前は、農薬を使わないコメづくりがされていました。
農薬を使うこと自体が、一般的でなかったのです。
野菜も地種(ぢだね)、つまり在来種しかありませんでした。
その土地で育つものしか、なかったのです。
出来ないものは作らなかったのです。
山岸さんは「土そのものが食べものなんだ」とおっしゃいました。
昔からの農法を見直し、継続していけるコメづくりの農法を構築していったのです。
循環自然農法
それが「循環自然農法」です。
土づくり、苗づくりを大切にした、無農薬・無肥料のコメづくり。
NPO魚沼ゆうきのコシヒカリは、昔ながらのコシヒカリ。
現在、新潟県産コシヒカリとして多く流通している「コシヒカリBL」ではありません。
種(籾)は、会員の田んぼで採れたもの(自家採種)です。
「魚沼コシヒカリがうまい」とされてきたのは、やはり土地に合っているからだと山岸さんはおっしゃっていました。
冬の雪、そして高温多湿な気候が、うまい魚沼コシヒカリを作ります。
その「うまい」を、NPO魚沼ゆうきのように自家採種でつないできた籾が受け継いでいます。
昔ながらのコメづくりの姿勢で、機械もうまく利用し負担を減らして育てることで、“続けていける農業”を目指しています。
じゃあ、なんで有機肥料も使わない無農薬の自然農法なのか?
それは「自然にならう」ということでした。(つづく)